世の中ミクロ馬鹿ばかり

どういうことかというと↓ね。
2010-03-09
こういうことを書いている人たちは、日本がデフレ不況のために背負わなくても良い負荷を背負ってるってことまでは考えが及ばないんでしょうねえ。
デフレ不況ってのはいわば経済の針を逆に回すこと。リスクを取って投資をするのが勝利の方程式であるはずが、リスクを取らずに縮こまるのが正しいってことになるのですから経済がガタガタになって当然なんですよ。

同上
というわけで、ちきりんは今20代前半だったら、絶対大企業に雇ってもらうより起業のがいいって思ってる。

デフレ不況下では起業を成功させること自体が非常に困難ってことに気付いてないんでしょうな。そもそもリスクを取らないってことはポッと出の馬の骨と取引したいなんて奇特な会社が激減するってことなんですぜ。冒険がなかなか出来ない状況下において、馬の骨と取引実績のある企業とどっちと取引したいかと言えば後者でしょうに。
そういえば以前なんかのテレビドラマで、不況下こそ起業は成功する、好況では容易に成功するためにビジネスモデルがおろそかになってしまうからだなんて話があったのですけど、テレビ脚本家の頭ではその程度の経済理解なんでしょうな。
アップルにしろグーグルにしろ、アメリカ経済がきちっと成長していたからこそ躍進できたんだと思いますぜ。
例えばこの人はこんなことを書いているのですけど

同上
そもそも日本において就職状況が(新卒はもちろん中途の人たちもだが)厳しいのは、ちきりんも何度も書いているように、
・この国において「仕事より人が多いから」なのであり、
・「あなたの孫はインドか中国で生まれます」で書いたように、今後も日本には仕事は増えない。
なので、自己分析とか意味不明なことをしても何の役にもたたない。

こんなもん為替次第ってのがマクロ経済学の教えるところなんですな。*1
マクロ経済学の面白いところは、我々が絶対軸のように感じている経済要素、例えば為替相場とか労働生産性といったものが、実のところ相対的なものでしかないということを教えてくれることなんですね。
為替相場FRBBOEのように通貨をザブザブ発行して埋めれば自国通貨安に誘導できるし、労働生産性は無理して働くより効率の悪いところを切った方が上がるのです。
飯田泰之先生が著書で幾度となく言及してますけど、他国通貨に比べ円高になるってのは決して良いことではない。自国の労働力の評価額をアンバランスに高くつけてしまうために仕事が無くなって当然よ、輸入品が値下がりすることによる利益なんて消し飛んでしまうよってことですよ。

*1:だいいち中国は人民元をドルにペッグさせてるでしょう。