シノドスセミナーに参加しました。
追記1あり。
追記2あり。
若田部昌澄先生の講義を一日聞き、その後有志で一杯という流れでございました。
各位、大変お世話になりありがとうございました。
さて、先生を囲んで飲んでいた際に出たのですが、どうも、世の中にはマクロ経済学を理解できる人とどうしてもできない人がいるらしいという話がありました。
酒が大分回っていたのでしっかりと理解できなかったのですけど、荒っぽく説明すると、マクロ経済学というのは
「経済は全て繋がっていて影響を及ぼしあっている」
と考えるわけですけど、そういう視点を持てない人がいるらしいということ。
根強い努力主義の呪縛、デフレでも強い企業と言ったミクロ最適化、デフレに対する理解についても需給ギャップから先に進めないという話。なお、努力して成功している人ほど努力主義的な主張から抜け出せないって話もありました。
他にもまあ、色々と。
なお、帰り際に、いずれ日本に大インフレが来るとしたら、それはこれまでインフレ税を払ってこなかったことのツケではないかという話をしました。これについてはもうちょっと突っ込んだ話をしたかったのですが、帰り際だったし酔ってよく分からない状態だったし(私が、です)で、ムニャムニャムニャ。
でも経済にフリーランチは無いのですから、インフレ税を一気に負担するのか少しずつ負担してゆくのか、真面目に考えねば成らない問題であろうとは思います。
なお、以下は荒っぽく計算したインフレ税の累積額です。ゼロ年目のGDPが500兆円として15年GDPが成長しなかったと仮定し累積額が1300兆円というのは、なんとなく国公債の総額に近くて妙な感じがしますね。
インフレ率 2% 年次 年次GDP(兆円) インフレ税 0年目 500 0 1年目 510 10 2年目 520.2 20.2 3年目 530.6 30.6 4年目 541.22 41.22 5年目 552.04 52.04 6年目 563.08 63.08 7年目 574.34 74.34 8年目 585.83 85.83 9年目 597.55 97.55 10年目 609.5 109.5 11年目 621.69 121.69 12年目 634.12 134.12 13年目 646.8 146.8 14年目 659.74 159.74 15年目 672.93 172.93 インフレ税累積 1319.64
追記1:
リフレ派は一見日銀を強く批判するのですが、その理由は、昭和恐慌や世界恐慌の例を学び、中央銀行の役目を重視し、日銀の金融政策能力を信頼しているためだという話もありました。
また、日本人は欧米人に比べると個の自立という点で明らかに自立しており(これは逆説とも言えますが)、権利と責任に対する意識が強く、例えばそれが都市の再開発を妨げる要因であったり自己責任論に陥る理由ではないかという話もありました。
追記2:
人文系文化人は「定常社会」というものにシビレちゃうんだそうです。また、この言葉にシンパシーを感じる層は想像以上に厚く、この岩盤を掘りぬくのは容易ではないと。
欧米では例えばフリードマンやスティグリッツなどの大経済学者でも、第一線を退いた後は好々爺として必要があれば忠告をするといったスタイルをとるのに対し、日本はとかく、アカデミックな世界でも政策においてもTVやマスコミにおいても少数や個人のスーパーマンが長く第一線にい続け、その結果後進が育たないということが多いとのこと。
とりあえずこんなところで。