JALの顛末は世代間断絶の現出

最近忙しくてなかなか書けません。

2010-01-13
(前略)
現役社員にとっては、将来の年金なんかより「今、自分の働いている会社が潰れるか潰れないか」の方が重要だ。年金減額に賛成することによって倒産が回避できるなら、その方が余程マシと彼らは考える。
(中略)
結局のところJALのOBにとっては、JALが潰れるかどうかなんてどうでもいいってことだ。彼等にとって大事なのは、JALではなく自分達の年金だから。
それはあくまでJALの存続を第一に希望する現役社員とは全く違う考え方だ。今回はっきりしたのは、まさにこの“違い”だ。
そしてこれにより、もしも日本の財政がJAL同様に破綻しそうになった時、「既に年金を貰う側になっている人」がどういう判断をし、選挙でどういう投票行動をするかも、よーくわかった。
彼等はJALのOBと同じように考えるのだろう。「日本国なんてどうなってもいい。俺の年金さえ払ってもらえれば」と。
(後略)

もうひとつ指摘できるのは、現役社員とOB間の認識の差でしょう。
現役社員は今まさに肌に感じられる危機として、JALが潰れてしまうかもしれないという現実を受け取っていたのに対し、OBは、年金の減額を受け入れるか否かという条件を突きつけられても尚、いよいよという段になるまで、まさかJALが潰れるなんて信じられないと思っていたのだと思います。
これはいわば、会社に対する幻想の有無、関与の割合の違いと言えるのではないでしょうか。
日々会社で働く現役社員と違い、OBは基本的に会社に関わる機会を持ちません。それはいわば卒業生が母校と直接関わる機会を余り持たないのと同様に。
その結果、OBは自分が現役だった時代のイメージ、JALは磐石だというイメージをを持ち続けることになり、いよいよ潰れそうだという事態になっても、まさかそんなことがあるわけがない、きっと上手くいくはずだと、キツネにでも化かされたような、非現実的な認識を持ち続けていたのでしょう。