「そろそろ、出口戦略かな?」「まだ入り口にも入ってないよ」

平気でウソをつく人

池田ノブーセンセイのブログを見ると、現状が経済の実力であり、現状を不況と見なして景気対策をするのはバラマキであり無駄と言いたいみたいですね。

池田信夫 blog : 財政赤字はフィクションか
このように長期的な財政危機を考えないでバラマキ福祉を続ける「短期決戦」志向は、日本軍以来の伝統だ。兵站などの計画的な準備をしないで場当たり的に戦力を逐次投入する作戦は、補給の途絶によって餓死が戦死を上回る悲惨な結果をもたらした。バラマキを戦闘、財政を補給と考えれば、同じ構造であることがわかるだろう。

この手のレトリックを使う人間は信用できないというのは言うまでも無いことです。なぜなら、そのレトリックが本当に正しく事象を例えているとは限らないのであり、人によって受け取る意味が異なる可能性もあるからです。なお、現在の状況をあの戦争に例えることの間違いは脚注の通り。*1

池田信夫 blog : 経済危機は資本主義の強さを証明した
「今は非常事態だから、需要不足を埋めることが第一だ」などという話にだまされてはいけない。今回の危機で明らかになったのは、在来型のケインズ政策は(30年代にも実はそうであったように)きかないということだ。オバマ政権の超大型バラマキ予算がほとんど執行されないうちに、経済は自律的に回復した。今後の世界経済の最大の課題は、Zakariaもいうように、財政危機と成長率の低下であり、それを解決するのにマクロ政策は何の役にも立たない。民主党政権がこの変化に気づくのは、いつのことだろうか。

池田センセイはおそらく故意にウソをついているのでしょうが、FRBはバランスシートを2倍に拡大して金融市場の全面崩壊を防ぐことに成功しました。「従来型のケインズ政策は効かない」というのも高橋洋一氏によれば間違いとのことですが。

41 名前:名無しさんの冒険 本日のレス 投稿日:2009/12/26(Sat) 00:59 id:LPUYmkfjzEby
>>27
FACTA読んだぞ。
金融危機需給ギャップアメリカ、ユーロ、イギリス、日本それぞれにあって、財政政策でいくら埋まって、金融政策でいくら埋まるというのがグラフで出てくる。
日本だけ、金融政策で埋まっていない。
こんな計算はどうやって行うのだろうか。
満たないことないグラフで、とても印象に残った。


44 名前:名無しさんの冒険 本日のレス 投稿日:2009/12/26(Sat) 02:27 ID:8nEYxvmK/BnH
>>43
FACTA記事には、アメリカのギャップは10%だったが、財政政策で5%、金融政策で8%埋まったと書いてあるから、金融政策だけで埋まったわけでない。
この記事は高橋洋一が書いたらしいが、こんな計算をするのは、リフレ派にもアンチにもいない。
★リフレ宣伝員★会議室★3

ともあれ、マクロ経済学が教えるところでは、将来のインフレ期待は現在のインフレ率を押し上げる――一定の期間に渡って安定した経済政策(金融、財政両面)が行われるとの信頼があれば、市場はそれに基いた動きを見せるであろうことは理解できるでしょう。アメリカの経済が、高い失業率に苦しんでいるとはいえ、それなりに安定した動きを見せているのは、間違いなく、市場にアメリカ政府とFRBは下手を打たないという信頼(行動に裏打ちされた)があるためと考えられます。
さて、池田センセイは「超大型バラマキ予算がほとんど執行されないうちに、経済は自律的に回復した。」と書いておりますが、FRBはバランスシートを一気に拡大して市場にマネーを供給し崩壊を防いだわけで、決して「経済は自律的に回復した」わけではありません。*2それに対し日本は「蜂に刺された程度」だったはずが、財政政策金融政策の遅れにより回復が見えない状況に陥っています。*3
池田センセイは「Zakariaもいうように、財政危機と成長率の低下であり、それを解決するのにマクロ政策は何の役にも立たない。民主党政権がこの変化に気づくのは、いつのことだろうか。」と書いておりますが、次のAAを贈りたいと思います。

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          '、__,l!j

*1:太平洋戦争において日本の犯した間違いというのは戦略の不備でも兵站の軽視でもありませんでした。アメリカと全面戦争を行ったところで勝てないことは自明であり、何しろ国力差は25倍もあったと言われるのですから、山本五十六司令の言う「半年くらいは暴れてみせる」など全く見当違いであり、開戦それ自体が間違いであったのです。よく、旧日本軍の失敗として取り上げられる戦略の不備や兵站の軽視そして短期決戦重視というのは、そもそも不可能な戦争を前提としたために最終勝利までのロードマップを引けなかったことにこそ原因があるのです。

*2:もちろん、危機が完全に去ったと考えるのも早計でしょう。

*3:日銀は2011年までデフレが続くという見解を出しており、これは日本が恐慌に陥ると言うのに等しいのです。