ギリシャと日本 〜おそらく同じ問題

とはいっても私はまっとうな思考力を持っていると思っておりますんで、ギリシャ財政破綻寸前だから日本もそうだと騒ぐつもりじゃござんせん。
つまり、こういう問題だってことなんです。

勝間和代(経済評論家)×高橋洋一(嘉悦大学教授)vol.2「経済成長なしの増税」では財政再建はできない() | 現代ビジネス | 講談社(1/6)
高橋:そうそう、それが大間違いです。前回も言いましたが200年のうち半分は破綻しているような国です。ユーロに入るときにだって裏口入学ですからね。だからほんといえば、裏口入学した人は退学でしょ。
勝間:ユーロから離脱させるべきだと。
勝間:ギリシャを切り離せば、ユーロも全然関係ないっていうことになりますね。
高橋:少なくとも日本から見たら、ユーロは輸出しているけれどもギリシャはあまり輸出してないから、それでどうってことないですよ。ただ、これはたぶん政治問題があるから。ギリシャを入れた人ってたぶんユーロの中にいるわけですよね、その人たちのメンツ問題があるから、ほんとにやるのは難しいと思います。

BLOGOS(ブロゴス)- 意見をつなぐ。日本が変わる。
これまでもマクロ経済周りの対策は色々練られてきたわけだし、必ずしも経済学者の思い通りにデフレを克服したり不況から回復しているわけでもない。彼らに言わせればそれはまだまだ不十分だということになるんだろうが、そもそも私の悪い頭ではその辺がピンとこないのだ。じゃあ、日銀とかには頭のいい経済に明るい人が集まっているのに、なんで高橋さんのような頭のいい人の考える政策を実行しないんだろうなあ?と思ってしまうんだ。

おそらく経済学者10人にギリシャをどうすればよいかと聞けば、そのうち8人はギリシャを一時的に貨幣統合から離脱させるべきであると言うだろうし、残りの1人はむしろ経済的に強すぎるドイツを離脱させるべきであると言うだろう(残り一人はわけのわからない事を言うだろうが、そういう人も中にはいるということで)。
ところが現実にはギリシャのユーロ離脱というオプションは取られそうにない…、というかこのオプションを非現実的と言う人もいるだろうけど、高橋先生も言うようにユーロ経済圏にギリシャは落第、分不相応なのであって、そもそも統合した時点で間違いなのだけど、ギリシャをユーロに推した関係者たちのメンツ、あるいは責任問題が絡むために最善の手が取れないということなんでしょうね。
つまり経済の問題というより政治の問題ということなわけ。
で、ようやくホリエモンの疑問に結びつくんだけど、日本の金融問題はつまるところ金融ではなく政治の問題であるということなんである。
今、田中秀臣先生とbewaad氏の間で議論になっている日銀のミッション(目的)とガバナンス(統治)の問題について、これは私見解なのだけど、日銀は何らかの明確なミッションやビューにもとづいて行動しているというより、組織防衛、日銀無謬主義、前例主義にもとづき、つどつどでミッションやビューに対する解釈を変えているんではないかということなのです。
例えば日銀はデフレ脱却に金融政策は無効であるという見解を崩さないのですけど、これは主と述が逆で、経済政策に対する責任を持ちたくないために強力に金融政策を推し進めたくないという動機が先にあり、その理由付けとして金融政策は無効という見解を維持しているのではないかということです。そういえば飯田泰之先生は、かつてバブル景気華やかなりし頃、日銀は資金需要に応じて資金を供給するということをやっていた為、徒に景気過熱を煽ったという話をしていたように記憶しています。結局これも、俺ら求めに応じただけだもん、俺ら悪くないもん、ということなんでしょうね。