あけましておめでとうございます

2010年の年が明けました。
本年は日本経済にとって要(カナメ)の年になると予想されます。
「"35歳"を救え」というNHKの報道番組が放送されたのは昨年の春頃だったでしょうか。
あの番組の通り、1999年後半から2000年代初めにかけての第一期就職氷河期世代を救わない限り日本に未来は無いと思います。
努力主義や清算主義など、「清野作戦」(土地を略奪し焼き払い敵軍に何も残さないようにすること)に過ぎないことが日本に広く知られねばならないでしょう。
新卒の若者がそれなりに働けるようになるまでは3年、一端(いっぱし)に稼げるようになるまでは5年とも10年とも言われます。
その間、若者を育ててやるのが社会の使命であり企業の仕事でもある。しかしながら、逆境が企業や社会を鍛えるという清算主義は、まず真っ先に若者を育てるための原資を切り捨てる形になるのが常なのです。
私がリフレ政策に傾倒する理由のひとつが、景気がある程度維持されないと若者を育てるための余裕が失われてしまうということ。
特に、何事も高度に機械化情報化した現代社会において、かつて、例えば1960年代70年代のような人海戦術的な労働環境はとうに失われ、非熟練労働者が工場勤務から始めてスキルを積んで行くといった道は無くなってしまいました。
もちろん、中小零細企業にはそのような世界が残ってはいますが、不況が長引けばそのような企業が真っ先に潰れてしまう。
ケインズは、長期的には我々は皆死んでいると言いましたが、短期であっても企業は死ぬのです。だからこそ、短期的な景気対策は重要といえるのです。