昭和恐慌について補足
経済学を覆う闇、その2 - WATERMANの外部記憶
経済学を覆う闇 - WATERMANの外部記憶
さて、先のエントリについて少々補足しておく。
それはなぜ金解禁に際して旧平価を維持しようとしたか、である。
旧平価を維持した理由
それは単純に言えば、円価値の下落を恐れたためだ。
当時の日本は現代と違い純債務国だった。
外貨建て債務を返済するためには円高の方が都合がよいということが、円を高値に維持することの理由になったのである。
当時は現代に比べ経済学が未発達(何しろケインズが「一般理論」を著す前である)であったことも原因なのだろうが、日本の経済力を維持・成長させ、債務を借り換えで凌ぐ(投資側からすれば、破綻せずに利回りがきちんと確保できる確証があれば貸し続ける理由になるのだ!)ことも可能であったはずだ。
手垢の付いた言い方ではあるが「借りられるのは信用の証拠」なのである。
とはいえ、当時は「金本位制こそが正しい姿」と考えられていたから、ある意味仕方が無いと言えるかもしれないが。