真希波・マリってなんて気持ちの悪いキャラなんだろう(ネタバレあり)

俺は、真希波マリの涙目がみたくてしようがないんだ(ネタバレ含む) - シロクマの屑籠


(以下反転)
マリが仮に2000年代の象徴、新世紀オタクの象徴としてのキャラクターであり、旧エヴァを見ていた当時の中学生高校生、今の30歳前後と、今初めてヱヴァに触れるであろう中学生高校生を繋ぐキャラだとしたら、正直これ程皮肉に満ちたキャラクター造詣は、明らかに制作者の悪意がにじみ出ているように感じられるのだ。


彼女は余りに明るい。戦いに対する気負いも恐怖も無く、昭和歌謡を口ずさみながら戦いを心底楽しんでいるように感じられる。
ジオフロントのシェルターに避難していたシンジは大破した2号機を駆る彼女に言う、「もう乗らないと決めたんだ」と。
その言葉に対し、彼女はシンジに「じゃあ逃げなよ、手伝ってあげるから」と促す。


誰もがシンジを「逃げるのか」と問い詰めるのに対し、彼女だけは「逃げてもいいじゃん」と言うのだ。
旧エヴァに際し、貞本氏だったと思うが、逃げるという選択肢もあるんですよと言っていたのが印象的だったのだが、それともまた違うように感じる。
貞本氏はおそらく、辛い時には逃げて心身を休ませ落ち着けることも方法の一つだ、もちろん逃げっぱなしは良くないですけどね、と暗に言いたかったのだろうが、彼女の「逃げなよ」には「キミが逃げたことで世界がどうなろうとどうでもいいじゃん。辛いことより楽しいことをやろうよ」というニュアンスが感じられるのだ。


これはある意味、すごく現代的な感性なのかもしれない。
シンジ、レイ、アスカ、そしてカヲル、この4名は皆、それぞれ戦うことの意味を問いながら戦っていた。
だが、マリにはそれが無い。
彼女は自分が楽しいから戦っているのだ。
彼女の中には「問い」が存在しない。
ヱヴァ破にて、ダミープラグによって結果としてアスカを傷つけることになったシンジは激昂しネルフ本部を破壊しようとするが、こういった感性、情熱が彼女には無いように感じられる。
だが、その結果として、彼女は容易に危機に身を晒す結果になっている。
おそらく自分の命すら希薄なのだろう。ゲームにコインを掛けるようにヱヴァで命を掛けたゲームをしているのだから。


シロクマ氏に同意。
マリが見っとも無く泣き喚くシーンが見たい、血反吐を吐き転げまわるシーンが見たい、そして彼女には命とはそういうものなのだと、理解して欲しい。