隠れた実力者、長谷川裕一先生

マップスネクストシート7巻

長谷川裕一先生ってマイナーなんだよね…。
ただ、ドマイナーって訳でもなく業界内でもかなり評価の高い人で、"あの"富野御大が実力を認める数少ない作家でもあるといいます。
正直、絵柄で結構損してる人でもあるんだよね。デビュー当時から既に古かったとすら言われてたり。
でも、先生独特の絵柄があってこそ、SFマンガとしての真骨頂、宇宙人とかモンスターとかの絵柄が生きてくるんです。

マップス ネクストシート 7 (Flex Comix)

マップス ネクストシート 7 (Flex Comix)




SFマンガの何が難しいかって、宇宙人とか異星の風景とか巨大な宇宙船とか、そういう人間が見たことの無いモノをどう描くかって事が難しい。
宇宙人というとヒューマノイド一辺倒になってしまうのは、ヒューマノイドでない知的生物を描くのが難しいからだと思います。
人間の姿や服であれば参考になる資料が沢山あるけど宇宙人の姿や服なんて資料が無いから全て想像力で描かなきゃいけない。
ゆえに"端整すぎる"絵だと宇宙人も端整に描く必要が出てきて、服やアクセサリーも端整に描く必要があってと、どんどんハードルが上がってしまうんだよね。
長谷川先生と同様にきちんと絵でSFを描ける人って、あさりよしとお先生とあろひろし先生くらいかな…。
映画だとスターウォーズシリーズやスタートレックシリーズは凄いけど、逆に言うとあの映画ほどの才能が集結しないと「リアルな」宇宙人は描けないってことなのかも知れないです。


宇宙人を描くのは難しいという事が分かる一冊。

長谷川先生とは直接関係はないけど、挿絵が結構良かった(げっ歯類型宇宙人とケンタウロス型宇宙人)。
導きの星〈1〉目覚めの大地 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)

導きの星〈1〉目覚めの大地 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)

これの4巻だけどいきなり4巻だけ読むのは止めよう。