奈良県妊婦、脳内出血で死亡

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061020dde041040054000c.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061020k0000e040067000c.html
おまけ
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20061019k0000e040072000c.html

医療関係者の意見を聞けば、CTを撮ったからと言って脳内出血が治るわけじゃなし、当の産科医師はやれるだけのことをやったということだが、私もこの意見には賛成したい。
はっきり言って、日本人の少なからずは「努力はタダ」と思っている節があるようだ。
特に医療問題においてしばしば、医師が適切な処置を取らなかったとか予見可能性だとかが問題になる。
おそらくこの根底には「努力が足りないから上手くいかないのだ」という一種の精神論が根を生やしているのではないかと私は思う。
そう、今から60年前、米兵には大和魂が無いからジャングルの戦いには耐えられないなどと言って完膚なきまでに敗北した大東亜戦争と全く同じなのである。

この大淀病院の件でも、ベッドが足りないなどの理由で18病院から受け入れ不能と断られたそうだが、これを「ベッドが足りなくても処置だけでもすればよい」などと言うコメンテーターがいるが、医療関係者の言ではそう簡単なものではないらしい。
ベッドが足りないというのはつまり、処置できる余力が無い、術後管理の体制を用意できないということらしい。
仮に受け入れたとしても、どこか適当な場所(廊下とか診察室かね?)で頭を開け、腹を割いて赤ん坊を取り出すという荒業をやってのけねばならない状態だったのだろう。
ブラックジャックスーパードクターK、あるいはDr.コトーか?漫画の世界ではそういったスーパードクターが難なくやってのけるのかもしれないが、そんな万人に1人のような超名医なぞいるものではなかろう。