昭和帝ご発言メモの件 その2

あるサイトに投げようと思っていた記事だが、長文なのでここに書いておくことにする。


ご発言とされるメモが問題なのは、政治上の問題以上に、陛下がA級戦犯の合祀を靖国行幸をしない理由にしていた、ということそのものです。

東條英機をはじめA級戦犯とされた人達の多くは陛下が東京裁判に訴追されることをおそれ、陛下の身代わりとして処刑された面があります。そして陛下も「自分ひとりはどのような刑を受けても良いが、東條達は忠義を尽くしただけだから許してやってくれ」と仰っており、ご遺族もA級戦犯の身内だ子供だと言われる度に「あの人は陛下を守る楯となったのだから」と悔しい思いを飲み込んできた歴史があったでしょう。
その、当の陛下がA級戦犯の合祀(と言っても合祀時点で戦犯ではありませんが)を理由に靖国行幸を取りやめたとすれば、それは自らの楯となった臣に唾を吐くような行為であり、ご遺族にとっては裏切られたとしか言いようのないことでしょう。

私自身、戦前の帝王学を受けられ、そして自分ひとりの命で済めばと仰っていた陛下のお心とは思えませんし、東京裁判の欺瞞性を良く理解していたであろう陛下の言葉としてみれば、メモの内容はあまりに不自然です。