紙時代の終わり

既に棚に収まらない

アゴラに掲載されている下記、弾小飼氏の記事に触れてちょっと書こうと思います。

しかし、市場はなくとも「闇市場」であればすでに存在するのです。
漫画のタイトルの後にスペースをはさんで「.zip」として検索をかけて見てください。「.torrent」でもいいでしょう。驚くほど多くのタイトルが検索に引っかかるはずです。それらの多くは冊子を裁断してスキャナーにかけただけのものですが、中には英訳、中国語訳されたものまであります。
これらはもちろん著作権法違反ですが、ファイルが外国にあるということもあってほとんど取り締まられていないのが現状です。しかし、ここで読者の立場になって現状を見直してみてください。彼らに合法的にこれらの作品を入手する手段が果たしてあるのか、と。
電子書籍の最終勝利者 – 小飼弾 – アゴラ

弾氏は、すでにコミック分野において電子書籍闇市場が形成されていると触れておりますが、それよりも先に市場が形成された分野があることをどれだけの人が知っているでしょうか。少なくとも10年15年程度前からネットに親しんでいる人、当時のオタクにとっては殆ど常識的な話なのですが。
それは同人、正確に言えばアニメやゲームの二次創作小説、サイドストーリーやセカンドストーリーと呼ばれSSと略称される巨大山脈。私はかなり初期からネットを利用しておりますが、一時期SSの収集に躍起になっていたことがあり、そのときにハードディスクに溜め込んだデータは自分でもどれくらいあるのか管理しきれないほど。
絵は描けなくとも何かストーリーを表現したい、好きなアニメやゲームのキャラクターを活躍させたいという欲求、同人作品というとビッグイベントである夏と冬のコミックマーケットばかりが注目されますが、その下にはそれこそ水面下の氷山のごとき巨大なすそ野が広がっているのです。
「ブック」という形を取らないだけで、電子化された文章を消費するという文化は遥か以前から動き始めていました。
アマゾンのキンドルAppleiPadを黒船と呼ぶなんて、本当に出版社は一体何を考えていたのでしょうね?目を開けたまま眠っていたのでしょうか?
本に部屋を占領された経験の無い人には分からなかったのかも知れませんね?