やはり「なぜ」が足りない。
NHKスペシャル
多方面で評価されているのでいずれ見なければいけないと思っていた番組。
本放送を録画できなかったので再放送待ちだったのだが、ようやく見る事ができた、確かに良くできている内容である。
で、感想としてはおねむね良し、70点といったところである。
だがやはり物足りない部分があり、それがつまりタイトルのこと。
「なぜ」が足りないのだ。
どういうことかというと、こういう問題がある、放置すると大変なことになるということは分かる、イギリスではこうやっている、フランスでは成果を上げた、岡山県西粟倉村ではこのような手立てを行い成果が出ている、ということは分かるのだが、
なぜ現在まで問題が放置されたのか
なぜ取るべき手立てが実行に移されないのか
問題を放置した責任はどこに、誰にあるのか
が全く取り上げられていないのである。
正直、分かった、でも10年、いや5年遅かったと言いたいのである。
今の35歳の男女が今後何人結婚し何人子供を産めるのか、結婚した時点で既に高齢出産コースなのだ。あと数手で王手、チェックメイトだというのに社会には問題が共有されている気配が全く無い。
既に日本という国は出血多量で死に掛けているのである。輸血でも輸液でもとにかくあるだけぶち込めという状況なのに、輸血パックが足りなくなったら、なんて議論をしているのだ。
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184ページ
「ピンチはチャンスさ。若い人よ、私らはもう大きな変化を起こす気力はないのだよ。だから貴方たちがこのピンチを機会に変えて、新しい変化を起こして欲しいんだ。分かるかい?」
これを矛盾と言わずしてなんと言おう。
若い世代は高齢世代に血を吸われ瀕死なのだ。せめて、変化を起こす気力の無い老人にはさっさと退場してもらいたい。*1
*1:私は高齢者を一律「不要」と断ずるような人間ではない。むしろ積極的に働く人、価値を生み出すべくまい進する人は年齢に関わらず尊敬する。私が嫌うのは安定な生活を得ていながら他人にリスクを取らせようとする人間である。