そうか、経済学って世の中のための学問なんだ
JD-1976さんのところで評価されていたので買ってみました。
http://d.hatena.ne.jp/JD-1976/20091019/p1
- 作者: 松尾匡
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/08/27
- メディア: 単行本
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非常に重要と思われる要点のみを引用。
経済学的発想の典型構造
1.経済は人間の意図を離れて自律的に動く。それを力で左右しようとすると、かえって正反対の結果になったりする。
2・取引をすると当事者がともにトクをする。
3.他人との優劣よりも、自分がどのくらい良いかが大事。
反経済学的発想の典型構造
1.世の中はその人の力の強弱に応じてコントロール可能である。
2.誰かがトクをするとその裏では別の誰かがソンをしている。
3.多少ソンをしても、他人より優越することが大事である。
うーん、これを読むと、いわゆる自己責任論とか努力主義とかが、いかに反経済学的かが良く分かる。
根上のぞみ:「反経済学的発想」って、典型的なのは軍人の発想だけど、何か組織の内部を動かすときに使われる発想よね。そのときには、組織の外の人は敵や収奪対象だったり、せいぜい視野外だったりする。
そのものズバリ、世間で経済学的と思われている考え方への批判ですね。
例えば、国家としてみた場合、不採算部門をリストラしても労働者が行くべき先がなければ失業者として溜まるだけになる。どこか一部の改善では解決しない、全体を底上げしなければ、というのがマクロ経済学者の主張になるんですけど、アルファブロガーとしてブイブイいってる池田信夫氏にしろ、竹中平蔵氏にしろ、とにかく構造改革だと言って譲らないんですよね。上手く行かないのは構造改革が足らないからだと。*2
とにかく、経済学って良いもんだと思わせてくれた一冊でした。